
日本近海産ヒトデ類図鑑
日本近海から記録されている300種近いヒトデ類のうち、写真を添えた正確な解説が可能な168種について、形態の特徴と分布を記し、生時の色彩がわかる写真を大きく掲載。一部には、種判別に重要な形質のクローズアップも示した。最新の分類体系を採用し、浜辺から深海までの種をカバーした本邦初の本格的図鑑。多彩なコラムも楽しく興味深い内容。
書籍データ
発行年月 | 2025年7月上旬 |
判型 | A5 |
ページ数 | 164ページ |
定価 | 3,740円(税込) |
ISBNコード | 978-4-303-80065-9 |
概要
この図鑑には、ヒトデという生き物に魅了されて半世紀あまりをその探求に費やした一研究者の幸せな時間が詰まっている。ヒトデの現生種は世界に約2000種、日本近海に300種近くを数える。しかし、比較的大型の生物でありながら、近年でも未記載種の発見が相次いでおり、まだまだ探索の余地がある。本書では紙幅の許す限り多数の種について生時の写真を中心に掲載している。世界屈指の海洋生物の多様性を擁する日本に住まう我々は幸運である。観察する目が多いほど、あらたな発見が加速する。この小著が、ヒトデという生き物を通じて日本の海洋生物多様性を繙く一助となれば、そしてなによりもヒトデに興味を持たれるファンが一人でも増えれば望外の喜びである。(「はじめに」より抜粋)
目次
はじめに
ヒトデ類基本体制図
ヒトデ分類のための形態用語集
モミジガイ目(35種)
アカヒトデ目(96種)
マクヒトデ目(7種)
ルソンヒトデ目(10種)
マヒトデ目(18種)
ウデボソヒトデ目(2種)
ヒトデ分類を学ぶための参考図書
謝辞
学名索引
和名索引
[コラム]
01 ヒトデ分類の目のつけどころ
02 “原典”回帰のススメ
03 ヒトデ類の貪欲な食生活
04 オニヒトデとマゼラン
05 ヒトデに見られている!?
06 内面を見ないとわからないこともある
07 深海に不時着したUFOの正体
08 最大のヒトデは?
09 分類学者を惑わせるヒトデたち
10 ヒトデフィギュアに思う分類学の未来
11 日本のヒトデ分類学者
12 良質なヒトデ標本の作り方
13 棘皮動物とクラーク博士
14 生き延びた英雄に乾杯!
プロフィール
木暮 陽一(こぐれ よういち)
1965年、群馬県高崎市生まれ
国立研究開発法人水産研究・教育機構水産資源研究所主幹研究員
東北大学理学部生物学科卒業
富山大学大学院理工学研究科生命環境科学博士後期課程修了、博士(理学)
2022年、「日本産ヒトデ類(棘皮動物ヒトデ綱)の分類学的研究」により日本生物地理学会賞受賞