みんなの知らない花虫図鑑

―八放サンゴ・スナギンチャク・ツノサンゴ・ハナギンチャク・ホネナシサンゴ

櫛田優花/喜瀬浩輝/ジェイムズ・ライマー/古井戸樹/野中正法 共著

花虫類のなかでも、従来の図鑑などではほとんど扱われてこなかったマイナーな仲間たちにスポットライトを当てる。比較的出会いやすいものやユニークなものから6目70属を選び、美しく魅力的な生態写真や顕微鏡写真とともに解説。骨片、骨軸棘のSEM画像も適宜掲載。研究コラムも充実している。

書籍データ

発行年月 2026年7月
判型 A5
ページ数 128ページ
定価 3,300円(税込)
ISBNコード 978-4-303-80076-5

概要

 花虫の世界にようこそ。
 本書は花虫類、その中でも八放サンゴ、スナギンチャク、ツノサンゴ、ハナギンチャク、ホネナシサンゴなど、あまり耳なじみのないようなマイナーな生き物たちの入門書です。このような生き物たちはよく海に遊びに行く方やダイバーの方から「背景」として扱われることも多いのですが、そんな「背景」―花虫類の魅力や面白さを伝えることができればと思います。
 本書では、フィールド図鑑がすでに存在するイシサンゴ類やイソギンチャク類は扱わず、これまでスポットライトがほとんど当たっていなかったマイナー花虫類に焦点を当てています。形態的にも生態的にも多様性に富んだグループですが、その中でも、比較的出会いやすいものや、ユニークなものを、ピックアップして掲載しました。彼らの美しさや奇妙さを感じ取ってもらい、見ても楽しい一冊になっていたら喜ばしい限りです。
 八放サンゴ、スナギンチャク、ツノサンゴ、ハナギンチャク、ホネナシサンゴは国内、ひいては海外でさえも研究者が少なく、どこにいる? なにがいる? どのように生きている? どのように進化してきた? などといった基礎的な情報もほとんどわかっていません。また分類学的な混乱もほとんど全ての分類群で生じています。本書は、属レベルでの構成になっており、専門家だけでなく、一般の方もマイナーな花虫類の情報や、近年の研究トピックにアクセスできるようにすることを目指しました。紹介する上でも扱いがなかなか難しい動物ではありますが、まずはマイナーな花虫類の入門書として、研究対象としても興味深い彼らの魅力が伝わればうれしいです。
 それでは、みんなの知らない花虫図鑑をぜひお楽しみください。(「はじめに」より)

目次

はじめに

花虫類について
八放サンゴ綱について
六放サンゴ綱について
八放サンゴ綱各部名称
六放サンゴ綱各部名称
八放サンゴ綱分類の変遷
六放サンゴ綱分類の変遷

八放サンゴ綱
 掲載分類群一覧
 軟八放サンゴ目(31属)
 硬八放サンゴ目(14属)
 おもしろい形の八放サンゴ

六放サンゴ綱
 掲載分類群一覧
 スナギンチャク目(14属)
 ツノサンゴ目(5属)
 ハナギンチャク目(4属)
 ホネナシサンゴ目(2属)
 いろいろなホネナシサンゴ

本書における用語解説
花虫類に興味をもったみなさまへ、おすすめの文献
参考文献
和名・学名索引
あとがき
著者紹介
協力執筆者
表紙・裏表紙の写真提供・協力
写真・情報提供などの協力

《コラム》
「サンゴ」という言葉
生きている六放サンゴポリプの目はどれ?
八放サンゴ類を利用する生き物たち
ウミウシに擬態するゴカイ
八放サンゴ類の隠れた住人たち
八放サンゴにおける遺伝子解析の重要性
宝石サンゴ骨軸の成長と資源
ウミエラ上科における骨片形状の進化
水族館と八放サンゴの展示
スナギンチャクの付着共生の進化
小さな住人、ワミノアのふしぎ
太古から続く花虫類の生物発光

プロフィール

櫛田優花(Yuka Kushida)鹿児島大学大学院理工学研究科助教
喜瀬浩輝(Hiroki Kise)産業技術総合研究所研究員
ジェイムズ・ライマー(James Davis Reimer)琉球大学理学部教授
古井戸樹(Tatsuki Koido)公益財団法人黒潮生物研究所研究員
野中正法(Masanori Nonaka)一般財団法人沖縄美ら島財団総合研究所 動物研究室長 上席研究員