はじめてのCanvas LMS

―世界標準オンライン学習システムの使い方

石川有紀・宮崎誠 共著

世界で最も利用されているオンライン学習システム「Canvas LMS」の日本で初めての入門書。新世代LMSの特徴や導入が増えている理由、基本的な使い方から応用的な機能の紹介まで、画面イメージを豊富に使用しわかりやすく解説。実際に操作できる試行環境も紹介。国内導入事例や授業での活用方法なども説明し、最新のeラーニングを理解するためのファーストステップとして最適。

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書籍データ

発行年月 2021年12月
判型 B5
ページ数 192ページ
定価 定価2750円(税込)
ISBNコード 978-4-303-73475-6

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概要

 最近、Canvas LMSについての問い合わせを受けることが多くなってきました。「何ができるの?」あるいは「Canvas LMSの特徴は何?」というような素朴な質問から、「実際に画面表示を見てみたい」や「どのような操作性なのか自分で触ってみたい」というように強い興味を持たれている方々の依頼まで、本当にさまざまです。
 実際にCanvas LMSのデモンストレーションを交えてご説明すると、感動していただけることが多く手応えを感じています。その一方で、時間的な制限からCanvas LMSの豊富な機能や奥深さまでお伝えしきれないことを残念に思っています。すでにCanvas LMSを教育現場で活用されている先生方もたくさんいらっしゃいます。今はとくに、LMSを利用した教育が大きな比重を占めているという時代背景もあると思いますが、「このような授業を行いたいが、Canvas LMSで実現するにはどの機能を使えばよいのか? やり方は?」というようなご相談を頻繁にいただきます。
 Canvas LMSを長年使ってみて感じているのは、どうすればオンラインの遠隔教育でスムーズに指導できるのか、どのようにしたら学生は効率良く、深く学べることができるのか、考え抜かれたシステムであるということです。本格的にオンライン教育を実践しようと考えたときに、現場で必要とされるような機能が豊富に用意されています。それはシステム的な機能ありきではなく、教える、学ぶという、教育あるいは学習活動の視点で設計されたものです。
 本当は、すべての機能の操作や実践方法についてご紹介したいところですが、とても一冊に収まる内容ではありません。そこで、まずはCanvas LMSの導入編として、初めてCanvas LMSを操作される方を対象に、本書を執筆しました。この本を読んでいただくことで、Canvas LMSに興味をお持ちの方々へのご回答となり、教育現場での活動に少しでも役立てていただければ幸いです。

目次

第I部 Canvas LMSの基礎知識
 第1章 Canvas LMSとは
  1.1 世界で注目されている新世代のLMS
  1.2 Canvas LMS が生まれた背景
  1.3 利用者の意見が反映されたオープンソース
  1.4 スケーラビリティ確保の重要性
  1.5 日本国内での導入事例
 第2章 Canvas LMSの機能構成
  2.1 Canvas LMSの主要機能
  2.2 Canvas LMSのユーザロール(役割)
  2.3 Canvas LMSを利用できる端末環境
第II部 Canvas LMSを使ってみる
 第3章 シンプルなコースを作ってみる
  3.1 ユーザアカウント作成
  3.2 コースと教材作成
  3.3 受講ビューからコースを体験する:その1
  3.4 提出物の採点
  3.5 受講ビューからコースを体験する:その2
 第4章 さまざまな教材を作成する
  4.1 課題
  4.2 ページ
  4.3 ファイル
  4.4 ディスカッション
  4.5 クイズ
  4.6 要綱[シラバス]
  4.7 教材作成に役立つ機能
 第5章 コースの設定と公開
  5.1 メンバー
  5.2 モジュール
  5.3 コースの設定
  5.4 コース公開
  5.5 コース公開前の操作に役立つ機能
 第6章 成績評価をする
  6.1 SpeedGrader
  6.2 成績表
  6.3 その他の機能
第III部 Canvas LMSをもっと使ってみる
 第7章 コースを管理する
  7.1 受講生の管理
  7.2 受講生とのコミュニケーション
  7.3 受講生の活動状況の確認
 第8章 グローバルナビゲーションの機能紹介
  8.1 ダッシュボード
  8.2 ユーザアカウントの設定
  8.3 コースリスト
  8.4 カレンダー
  8.5 受信トレイ
 補足1 受講生の操作画面
第IV部 Canvas LMSを授業に導入する
 第9章 授業設計とLMSの関係
  9.1 授業設計と情報システム
  9.2 一斉授業から個別化した学習へ
  9.3 eラーニングとブレンディッドラーニング
 第10章 学習活動をCanvas LMSに置き換える
  10.1 まずここから始めよう
 補足2 LMSにおける技術標準

プロフィール

石川有紀
東京都出身。大学卒業後,大手SIベンダーでシステムエンジニアとしてインターネット勃興期のさまざまなサービスシステム設計・構築を担当。現在はボウ・ネットシステムズ株式会社で,CanvasをはじめとするLMSやeポートフォリオ管理など教育ITシステムの開発業務に加え,LMS導入コンサルタントとして,多くの国立大学,私立大学,大手企業の教育部門をサポートしている。

宮崎誠
佐賀県出身。インストラクショナルデザインと教育学習支援システムの研究者。帝京大学ラーニングテクノロジー開発室助教。熊本大学大学院社会文化科学研究科教授システム学専攻博士後期課程単位取得満期退学。修士(工学)。技術担当として株式会社NTTドコモ九州に入社後,ショップ販売員の研修を担当し,人材育成に関心を持つ。熊本大学大学院教授システム学専攻特定事業研究員,法政大学情報メディア教育研究センター助手,畿央大学教育学習基盤センター特任助教を経て,2019 年より現職。