東日本大震災 [災害遺産]に学ぶ

―来たるべき大地震で同じ過ちを繰り返さないために

谷口宏充・菅原大助・植木貞人 共著

子どもたちや住民に対する防災教育のキーマンは学校の先生であり、地方行政のメンバーである。東日本大震災の現場でも、彼らの力量(科学リテラシー)が人々の命を大きく左右した。本書は宮城県内における災害遺産を選び、日本各地で防災教育の担い手となるべき人たちに、被災現場で起きていたこと、そこに示されている重要な知見、教訓などをオールカラーで伝える。

書籍データ

発行年月 2019年2月中旬
判型 A5
ページ数 192ページ
定価 本体2,200円+税
ISBNコード 978-4-303-73135-9

目次

はじめに
 私と東日本大震災
 災害遺産と本書の目的
 著者プロフィール

第1章 災害遺産の記載とジオストーリー
 1.1 気仙沼市内の脇地区(内の脇1丁目)
    津波火災と同時に震災時とくに危険視されている火災旋風も発生していた
 1.2 気仙沼市波路上地区(杉之下高台・気仙沼向洋高校)
    “杉ノ下高台の悲劇”発生と向洋高校生らの緊急避難成功の理由
 1.3 南三陸町志津川地区(防災対策庁舎・高野会館)
    津波防災の視点で志津川の公共施設における立地と避難問題を考える
 1.4 南三陸町戸倉地区(戸倉小学校・五十鈴神社)
    災害軽減における十分な事前準備と柔軟な判断の重要性
 1.5 石巻市釜谷地区(大川小学校旧校舎・裏山)
    “大川小学校の悲劇”で思う科学リテラシー向上の重要性
 1.6 石巻市鮫浦地区(鮫浦湾)
    三陸沿岸で最大規模の引き波にみる津波のダイナミクス
 1.7 石巻市鮎川地区(金華山瀬戸)
    津波と海割れの伝説
 1.8 石巻市日和山・門脇地区(日和山公園・門脇小学校)
    日和山と門脇町とのはざまで起きていた津波、火災と人との壮絶な戦い
 1.9 女川町女川浜地区(女川交番・清水町)
    ときに荒ぶる海との共生を目指した大震災からの復興
 1.10 東松島市大曲浜地区(大曲浜新橋)
     同じ浸水深で比較した場合の異常な犠牲者数とグリッドロック現象
 1.11 東松島市浜市地区(浜市小学校・石上神社・落堀)
     3.11津波による大規模浸食痕、地区を襲った昔の津波の記憶
 1.12 東松島市野蒜地区(野蒜駅・野蒜小・不老園)
     野蒜において津波からの避難問題を考える―身近な地形の知識が身を守る
 1.13 塩釜市海岸通地区(千賀の浦緑地)
     奈良時代からの港町“塩竈”を襲う津波と古地理
 1.14 塩釜市浦戸地区(寒風沢島など)
     日本三景松島を守った天然防潮堤
 1.15 七ヶ浜町菖蒲田浜地区(鼻節神社・招又)
     大津波伝説、避難場所と避難ルートの課題
 1.16 多賀城市八幡地区(末の松山・沖の石)
     古文書、和歌や伝説に残された過去の大津波と3.11大津波
 1.17 仙台市若林区荒井地区(仙台東部道路避難階段)
     津波の地質記録と防災
 1.18 仙台市若林区霞目地区(浪分神社)
     津波災害の伝承
 1.19 仙台市若林区荒浜地区(旧荒浜小学校)
     荒浜地区の歴史津波による被災と引き波による砂浜の切断
 1.20 山元町坂元中浜地区(中浜小学校・津波湾)
     中浜小学校における津波からの避難対応と津波湾の形成を考える
 1.21 山元町坂元磯地区(水神沼)
     伝説や堆積物をもとに災害の歴史と予測の可能性を考える

第2章 地震の基礎科学
 2.1 東日本大震災を引き起こした巨大地震
 2.2 巨大地震が起こるわけ
 2.3 将来発生する可能性のある地震

第3章 津波の基礎科学
 3.1 津波とは
 3.2 津波の高さ
 3.3 海底地震による津波発生のメカニズム
 3.4 津波の性質

おわりに

プロフィール

谷口 宏充(たにぐち ひろみつ)
 東北大学大学院理学研究科博士課程修了(理学博士)
 大阪府教育委員会科学教育センター 研究員・主任研究員(1974~1997)
 東北大学東北アジア研究センター 教授(1997~2008)
 東北大学名誉教授

菅原 大助(すがわら だいすけ)
 東北大学大学院理学研究科博士課程修了(理学博士)
 東北大学災害科学国際研究所(2012~2015)
 ふじのくに地球環境史ミュージアム 准教授
 博士(理学)(2006年東北大学)

植木 貞人(うえき さだと)
 東北大学大学院理学研究科博士課程中退
 東北大学大学院理学研究科附属地震・火山噴火予知研究観測センター 助手・准教授(1974~2013)
 博士(理学)(1992年東北大学)