舶用ディーゼル機関の基礎と実際

今橋 武・沖野敏彦 共著

舶用ディーゼル機関の運転管理者や関連技術者などの実務家ならびに海技士を目指す学生を対象に、第1章で全体を概観、第2章で理論的考察を行った後、第3章から第14章で、ガス交換、燃焼、振動、トライボロジー、排気ガス、電子制御、構造と材料、燃料油・潤滑油、補機、運転管理、保守・整備、法規について解説する。

書籍データ

発行年月 2008年7月
判型 A5
ページ数 336ページ
定価 本体3,800円+税
ISBNコード 978-4-303-30960-2

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概要

 ディーゼル機関は自動車、農業機械、発電機、船舶などの駆動用原動機関として幅広く使用されている。とくに、世界の貿易輸送量のほとんどを占める海上輸送においては船舶推進用および発電用原動機として、ディーゼル機関の使用が大勢を占めている。
 本書では、これら船舶用、発電用ディーゼル機関を対象に解説を行った。
 この分野の解説書としては、中谷勝紀氏の執筆による『誰にもわかるディーゼル機関』が長いあいだ愛読されてきた。しかし、当時からさらなる技術進歩がなされた。出力率向上、信頼性向上など、日進月歩で改良がなされるとともに、とくに、環境規制対応技術、電子制御技術は著しく進歩した。そこで本書では、基礎的な技術内容の解説については前記書籍を参考にしつつ、できるかぎり最新の技術内容を取り入れた。また、舶用2ストローク低速ディーゼル機関について、大型機関の稼動実績が出力ベースで全体の7~8割を占めていることを考えて、本機関の解説に重点を置いた。
 前述の状況の中で、安全、効率運航の共通目標を達成するために、舶用ディーゼル機関の関連技術者をはじめ運転管理する人たちならびに海技士を目指す人たちへの参考となれば幸いです。(「はじめに」より)

目次

第1章 緒論
 1.1 ディーゼル機関とは
 1.2 海上輸送とその背景
 1.3 舶用原動機の分類と特徴
 1.4 ディーゼル機関の作動方式
 1.5 舶用ディーゼル機関の場合
 1.6 舶用ディーゼル機関の開発変遷と技術課題

第2章 理論的考察
 2.1 機関性能因子(熱効率と平均有効圧力)
 2.2 サイクル理論による解析
 2.3 関連因子による解析
 2.4 水制動機による陸上試験
 2.5 シリンダ圧力解析装置
 2.6 摩擦と機械効率
 2.7 熱損失
 2.8 ヒートバランス

第3章 舶用機関のガス交換
 3.1 2ストローク機関の掃排気
 3.2 4ストローク機関の給排気
 3.3 過給装置
 3.4 ガス交換関連の諸効率の定義

第4章 ディーゼル機関の燃焼
 4.1 燃焼の基本事項
 4.2 燃料噴射特性
 4.3 空気混合
 4.4 燃焼火炎特性
 4.5 熱発生率

第5章 振動
 5.1 機関から発生する振動起振源
 5.2 振動防止対策
 5.3 4ストローク機関の振動
 5.4 振動計測

第6章 摩擦・摩耗・潤滑(トライボロジー)
 6.1 シリンダライナーとピストンリング
 6.2 軸受
 6.3 ピストンロッドとスタッフィングボックス

第7章 排気ガス
 7.1 窒素酸化物(NOx)
 7.2 硫黄酸化物(SOx)
 7.3 粒子物質(PM)

第8章 機関の電子制御化
 8.1 初期の燃料ポンプ電子制御化
 8.2 最近の電子制御方式
 8.3 油圧駆動方式の原理
 8.4 電子制御装置適用例

第9章 主要部品の構造と材料
 9.1 部品の名称
 9.2 機関の一般構造
 9.3 主要部品の構造
 9.4 主要部品材料の代表例

第10章 燃料油・潤滑油
 10.1 燃料油
 10.2 潤滑油

第11章 補機装置
 11.1 燃料油系統
 11.2 潤滑油系統
 11.3 冷却系統
 11.4 空気系統

第12章 機関の運転管理と取り扱い
 12.1 運転要領
 12.2 燃料油、潤滑油、冷却清水の管理
 12.3 機関の故障

第13章 機関の保守・整備
 13.1 長期間停止時の保守・点検(入渠工事中など)
 13.2 機関の諸タイミング調整
 13.3 機関各部の解放期間の基準
 13.4 主要部分のすきま
 13.5 主要部分の保守整備要領

第14章 検査に関する法規
 14.1 検査の種類
 14.2 検査内容