Moodle入門
オープンソースで構築するeラーニングシステム


著者:
井上博樹(eエデュケーション総合研究所代表取締役)
奥村晴彦(三重大学教育学部教授)
中田 平(金城学院大学現代文化学部教授)

B5・200頁・定価(本体2,600円+税)
ISBN978-4-303-73473-2
初版2006年9月/第3版3刷2009年6月発行

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 概 要
Moodle(ムードル)は、コース管理システム(Course Management System、CMS)と呼ばれるソフトウェアの一つです。このようなコンピュータ・ネットワークを利用した教育システムのことをeラーニングシステムと呼ぶことがあります。eラーニングというと、対面式授業をコンピュータとネットワークに置き換えたオンデマンド教材配信や遠隔教育を思い浮かべがちですが、コース管理システムは、授業科目(=コース)の中で教師と学生の活動を支援するためのソフトウェアです。教師が講義資料を配布したり、テストをしたり、学生が課題を提出したり、教師が学生の学習履歴を調べたり、教師と学生が、また学生同士がコミュニケーションをしたり、共同で調査をしたり、といった従来から教室その他の教育現場で行われている活動を、コンピュータとネットワークの力で支援することによって、対面授業を補完・補強するためのシステムです。

この『Moodle入門』は全体が7章でできています。第1章は「Moodleとは」と題していますが、ここではインターネットの普及が社会的なインフラ改革から始まって教育環境へ大きな影響力を及ぼし、コンピュータそのものの教育から教育全体の改善へと向かうなかで、コース管理システムが誕生し普及してきた歴史を概観します。また、コース管理システムとしてのMoodleの特長や、そもそもMoodleというオープンソースのコース管理システムを支える教育理論を解説し、Moodleを運用する上での注意点と今後の課題と将来を展望します。

第2章は読者がMoodleのコース作成者になって、実際に自分の授業やゼミや講習会のサイトを作ってもらいます。コースサイトを作ると学生の登録が必要ですし、年度ごと学期ごとのコースの開設・閉鎖に伴ってバックアップを取って次の年や次の期にリストアする作業が生じます。また、採点のための評点の設定や学生の学習活動の追跡調査が必要ですが、そうしたコース開設の第一歩をわかりやすく解説します。

第3章はリソースの追加です。Moodleには大別して「リソース」と「活動」という2つの強力なツールがあります。リソースには「テキストページの作成」や「ウェブページの作成」など、学生に対する説明文を作るツールがあります。またファイルをアップロードしてコースのフォルダに格納し、それを学生が利用できるようにするための「ファイル・サイトにリンク」があります。こうしたリソースツールの使い方を実際のキャプチャー画面を示しながら解説します。

第4章はパワフルな「活動」モジュールの解説です。それぞれ詳細に解説するとそれだけで1章分のボリュームになりそうな「SCORM/AICC」や「Wiki」などのモジュールから、「チャット」「フォーラム」「投票」「小テスト」「課題」といったどの教員でもすぐに使いたいと思う役立ちモジュールまで、手際よく説明しています。そのほかにも「データベース」「レッスン」「ワークショップ」「用語集」「調査」まで残らず解説しました。

第5章からは管理者のみなさんのために、Mac OS X、Linux、Windowsそれぞれの環境でのインストールからシステム管理までを解説します。MoodleはApache、MySQL(またはPostgreSQL)、PHPで動くシステムですから、これらの環境の設定からはじめて、Moodleパッケージのインストール作業、インストール後の設定を具体的に説明します。

第6章はサーバの管理です。Moodleが動いただけではもちろんコース管理システムとしては十分ではありません。Moodleを利用環境に合わせてカスタマイズする必要があります。この章ではMoodleの詳細設定について丁寧な解説を心がけています。さらに、サーバのバックアップ、データベースのバックアップとリストア、LinuxやMac OS Xのcrontabの設定、セキュリティ対策、負荷対策まで盛り込んでいます。第5章、第6章を活用していただけばMoodleサーバの自作運用が可能になります。

最後の第7章は共著者2名の勤務する国立大学と私立大学におけるMoodle導入の経緯とサイト運用の実際を紹介します。数千人から1万人規模の大学で、オープンソースのコース管理システムが大きなトラブルもなく、大学の学習環境の改善のために日夜働いている姿は感動的でさえあります。同規模の組織で導入を検討されている方々にはきっと役に立つ共有経験の提供ができたのではないかと考えます。また、章末には対面授業からコース管理システムにコンテンツを移行させるときに生じる著作権法上の問題とオープンコースウェア運動について短いコメントをつけました。(「はじめに」より)
 
 目 次
第1章 Moodleとは?
     1.1 インターネットの普及と教育への活用
     1.2 コース管理システムの普及
     1.3 Moodleとは?
     1.4 コース管理システムで実現できること
     1.5 Moodleの特長
     1.6 Moodleを支える教育理論
     1.7 Moodleを運用する上での注意点
     1.8 今後の課題
     1.9 今後の展望

第2章 Moodleによるコースサイトの作成
     2.1 コースサイトとは
     2.2 コースサイトを作成するには
     2.3 新たにコースサイトを作成する
     2.4 ユーザ登録の方法
     2.5 コースサイトのバックアップ
     2.6 コースサイトのリストア
     2.7 コースのインポート
     2.8 評価尺度
     2.9 評定
     2.10 ログ

第3章 コースサイトへのリソースの追加
     3.1 テキストページの作成
     3.2 ウェブページの作成
     3.3 ファイル・サイトにリンク
     3.4 ディレクトリの表示
     3.5 IMSコンテントパッケージの設置
     3.6 ラベルの挿入

第4章 活動モジュールの利用
     4.1 SCORM/AICCモジュール
     4.2 Wikiモジュール
     4.3 チャットモジュール
     4.4 データベースモジュール
     4.5 フォーラムモジュール
     4.6 レッスンモジュール
     4.7 ワークショップモジュール
     4.8 小テストモジュール
     4.9 投票モジュール
     4.10 用語集モジュール
     4.11 課題モジュール
     4.12 調査モジュール

第5章 Moodleのインストールと運用のヒント
     5.1 各種オペレーティングシステムにおける導入手順
     5.2 Mac OS X上でのAMP環境の構築
     5.3 Linux上でのAMP環境の構築
     5.4 Windows XP上でのAMP環境の構築
     5.5 Moodleインストーラの実行
     5.6 Moodleインストールの各ステップ
     5.7 インストール後の設定

第6章 Moodleサーバの管理
     6.1 Moodleサーバの設定
     6.2 Moodleサーバのバックアップ,バージョンアップ
     6.3 crontabの設定
     6.4 セキュリティ対策
     6.5 負荷増大への対応
     6.6 Moodleに関する情報源

第7章 大学におけるMoodle導入事例
     7.1 三重大学での事例
     7.2 金城学院大学での事例
     7.3 e-Learning教材と著作権
     7.4 Creative CommonsとOpenCourseWare


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