データマイニング手法【2訂版】
―営業、マーケティング、CRMのための顧客分析―


マイケルJ.A.ベリー/ゴードンS.リノフ 著
江原淳/佐藤栄作/上野勉/朝稲努/河野順一/寺田英治/斉藤史朗/谷岡日出男/藤本浩司 共訳

A5・448頁・定価(本体3,800円+税)
ISBN4-303-73429-2
2005年10月発行

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 概 要
本書は『データマイニング手法:営業、マーケティング、カスタマーサポートのための顧客分析』(1999)の2訂版である。ベリーとリノフによる初版は原著が1997年に出版され、世界中でデータマイニングのバイブルのように扱われた。わが国でも例外ではなく、データマイニング関連書の中では最も読まれている必読文献である。

その理由はいくつかあるが、著者がデータマイニング実務に精通し、さまざまのマイニングプロジェクトを成功させてきたコンサルタントであり、その事例が豊富に掲載されていること、統計手法や部分的な要素技術でなく「顧客データの分析手法」そのものを扱ったほとんど唯一の本であったこと、ブラックボックスでなく図解と事例でさまざまのマイニング手法を先端的な手法も含めてわかりやすく説明していたこと、などがあろう。

データウェアハウスとデータマイニングではハード、DBMSとも飛躍的に進歩してきており、現在では企業の顧客とのトランザクションをデータウェアハウス化してOLAPやデータマイニングで次の顧客との取引を創造するビジネスルールを求める源泉にすることは常識となってきた。このときにCRMやマーケティングでのルール創造のためにどのようにマイニング手法を活用するのかというノウハウが最も重要となる。それがなければデータの洪水におぼれてしまうか、分析者個人の関心だけに依存した恣意的な知見に留まるしかないからである。自らのビジネスルールを獲得し発展させていく知識管理はもとより各企業の責任であるが、データウェアハウスとデータマイニングという未曾有の環境でのいわば「初期値」として初版のノウハウが活用されたと思われる。

そのような原著が7年を経て全面的に改訂され、2004年にSecond Editionとなった。1997年にはツールがほとんど出ていなかったC5、コホネンネットワーク、記憶ベース推論なども大半のマイニングツールで使えるようになり、全面的に書き改められた本書の事例とノウハウの適用可能性が広がっただけでなく、協調フィルタリングや生存分析などよく使われるようになった手法を独立した章で解説するなど、この領域での基本書であり続けようとする著者の意図は十分に実現されている。第2章が「マーケティングとCRM(顧客関係管理)におけるデータマイニングの応用」としてエクセルを使った分析事例も収録するなど、副題の目的を達成するためにあらゆる努力と手法とツールと知識を動員するという、データマイナーならではの本となっている。

初版との違いは、ほとんどすべてにわたっている。手法の説明で類似している表現がわずかにあるものの、最近の事例と手法に置き換えられており、副題の変更(「カスタマーサポート」が「CRM」に変更されている)のように対象領域も拡大されているので、ページ数は初版よりもかなり増えている。

本書にはもう1つ特徴がある。訳者はすべて数年以上のデータマイニング経験があることである。仕事上不可欠であるので、初版とまったく違うSecond Editionをすぐに翻訳せざるをえなかったというのが訳者の本音である。データマイニングに関心を持つすべての人に、初版以上に本書を活用してほしい。また、大学における学部教育や修士過程でのデータ処理の実習でも活用できると思われる(文系でもデータマイニング実習を行う試みが増えてきている)。

データから何らかの知見を見いだそうとしているすべての人に、先人の効率的な方法を知り、問題のタイプごとの定石を知った上で分析できるように、また自分が何をやっているのかを再度見つめなおすために本書を薦めたい。(「訳者まえがき」より)
 
 目 次
第1章 データマイニングとは何か、なぜ必要か
     1.1 分析的CRM
     1.2 データマイニングとは何か
     1.3 データマイニングによって何ができるのか
     1.4 なぜいまなのか
     1.5 現在データマイニングはどのように使われているか
     1.6 得られた教訓

第2章 マーケティングとCRMにおけるデータマイニングの応用
     2.1 プロスペクティング
     2.2 広告を行うのに適切な場所を選択するためのデータマイニング
     2.3 ダイレクトマーケティングキャンペーンを改良するためのデータマイニング
     2.4 プロスペクトについて学習するための既存顧客の利用
     2.5 CRMのためのデータマイニング
     2.6 維持とチャーン
     2.7 得られた教訓

第3章 統計学の魅力:身近なツールを利用するデータマイニング
     3.1 オッカムの剃刀
     3.2 データの考察
     3.3 反応の測定
     3.4 多重比較
     3.5 カイ2乗検定
     3.6 例:地区と顧客獲得数に関するカイ2乗検定
     3.7 データマイニングと統計学
     3.8 得られた教訓

第4章 決定木
     4.1 決定木とは何か
     4.2 決定木の成長
     4.3 最良の分割を選択するためのテスト
     4.4 枝刈り
     4.5 決定木からのルール生成
     4.6 コストを勘定に入れる
     4.7 決定木手法のさらなる改良
     4.8 決定木を表現する他の方法
     4.9 決定木の実践
     4.10 得られた教訓

第5章 ニューラルネットワーク
     5.1 歴史
     5.2 不動産査定
     5.3 ニューラルネットワークによるデータマイニング管理
     5.4 ニューラルネットとは
     5.5 学習用データを選ぶ
     5.6 データの準備
     5.7 結果の解釈
     5.8 時系列に対するニューラルネットワーク
     5.9 ニューラルネットワーク内で何が起こっているかを知る方法
     5.10 自己組織化マップ
     5.11 得られた教訓

第6章 最近傍アプローチ:記憶ベース推論と協調フィルタリング
     6.1 記憶ベース推論
     6.2 MBRの課題
     6.3 事例研究:新聞記事の分類
     6.4 距離の測定
     6.5 結合関数:近傍に答えを尋ねる
     6.6 協調フィルタリング:リコメンデーション実行に向けた最近傍アプローチ
     6.7 得られた教訓

第7章 マーケットバスケット分析とアソシエーションルール
     7.1 マーケットバスケット分析の特徴
     7.2 アソシエーションルール
     7.3 アソシエーションルールはどのように効果的なのか
     7.4 アソシエーションルールの構築
     7.5 アイデアの拡張
     7.6 アソシエーションルールを用いた時系列解析
     7.7 得られた教訓

第8章 リンク分析
     8.1 グラフ理論の基本
     8.2 リンク分析の実務への適用例
     8.3 事例研究:自宅からのFAXは誰か
     8.4 事例研究:携帯電話のセグメンテーション
     8.5 得られた教訓

第9章 クラスタの自動発見
     9.1 簡明さを持った島々を探す
     9.2 K-meansクラスタリング
     9.3 類似性と距離
     9.4 クラスタリングのためのデータ準備
     9.5 クラスタ発見のためのその他の方法
     9.6 クラスタの評価
     9.7 事例研究:町をクラスタリングする
     9.8 得られた教訓

第10章 心配すべき時期を知る:マーケティングにおけるハザード関数と生存分析
     10.1 顧客リテンション
     10.2 ハザード
     10.3 ハザードから生存関数へ
     10.4 比例ハザード
     10.5 生存分析の実際
     10.6 得られた教訓

第11章 遺伝的アルゴリズム
     11.1 どのように動くのか
     11.2 事例研究:遺伝的アルゴリズムによる資源最適配分
     11.3 スキーマ定理:なぜ遺伝的アルゴリズムはうまくいくのか
     11.4 遺伝的アルゴリズムの他の適用事例
     11.5 単純アルゴリズム以後の研究
     11.6 得られた教訓


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